私たちが大切にしていること 民医連看護の3つの視点と4つの優点

 【引用・参考】「全日本民医連 民医連の看護が輝くために」全日本民主医療機関連合会

   

『その人らしさ』こだわった看護症例紹介

「最期はここ、千秋病院で良かった」 B2病棟Bチーム

「最期は落ち着いたところがいい。」と入院してきたAさんは、膀胱がん・多発性転移による終末期の患者さんでした。Aさんは、ストマ、直腸会陰廔孔をはじめ体の3か所にパウチを貼り、皮膚はただれ痛々しい状態でした。

看護師チーム一丸となって、昼夜とわずケアを行い皮膚の状況がよくなってきたある日、「お風呂に入りましょうか」と看護師がAさんへ声をかけると、Aさんはまさか入浴ができるなんてと驚かれました。がんになってから大好きだった入浴にほとんど入ることができず、諦めていたところのサプライズだったのです。

しばらくして、娘さんから「孫が成人式のため振り袖姿で面会したい」との申し出がありました。看護師が「せっかくなら、車いすに乗って景色のいい場所で写真を撮りましょう」と提案。またまたAさんにとってはサプライズです。「車いすに乗りたい、孫と写真が撮りたい」とリハビリをがんばり、寝たきりだったAさんが車いす自走し、毎日面会に来るご主人を出迎えることができ、お孫さんと写真撮影を行うこともできました。

それからしばらくして、Aさんは永眠されました。

娘さんからは「最期はここで本当に良かったです。ベッドの上の生活で最期を迎えると思っていました。ここに来てからは、驚きの毎日でした。残された短い時間の中で、母が大好きだったお風呂に入ることができ、孫と写真も撮れました。家族みんな、ここで母を看取ることができて本当に良かったです。」という感謝の言葉をいただきました。

私たちが何気なく行っている、入浴介助、車いす移動、患者さんにとっては諦めてしまっていることもあります。しかし、看護師として何気ない業務に終わらせるのではなく、患者さん、家族さんと共に感動し、喜びを共有できたすばらしい経験でした。